2013年06月17日

奈良市の歴史的な建造物

 自宅から約40分歩くと唐招提寺、薬師寺、垂仁天皇陵など多くの歴史的な建造物が見えてくる。途中の大池からは薬師寺のツインタワーが見える。


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この写真は東塔を修復中のもので現在は完了している。
塔の天井には天井画というものがあり、宝相華文様 が描かれている。
宝相華とは極楽に一年中咲くといわれる可憐な花のことである。
ツインタワー

大池からツインタワーを臨む

この東塔だが、高さは34.1メートルで、江戸時代以前に造られた仏塔の中では4番目の高さを誇るものである。
そして、この塔の先端部の相輪にある青銅製の水煙には飛天像、詳しく言うと音楽を奏で飛翔する天女たちが透かし彫りされている。その繊細な美しさはまさしく、奈良時代の高い工芸技術を余すことなく我々に伝えている。
 この塔はときに「凍れる音楽」と評される。これは、アーネスト・フェロノサが明治時代にこの寺を訪れた際に言ったらしいが、確固たる証拠はない。
また、佐佐木信綱と会津八一はそれぞれ東塔を題材にした短歌を残している。

 すゐえんのあまつをとめがころもでの ひまにもすめるあきのそらかな 八一

 逝く秋のやまとの国の薬師寺の 塔の上なる一ひらの雲 信綱

夜にはライトアップされ今でも多くの写真家たちを魅了してやまない撮影スポットである。
 しばらく行くと次に見えてくるのは薬師寺である。
薬師寺

多くの国宝を収めている薬師寺

薬師寺の金堂には白鳳時代の国宝、薬師三尊像がある。
“薬師如来”を中心に右に日光菩薩、左に月光菩薩があり、世界でも最高の仏像と仰がれている。
また三月堂には、重要文化財である四天王像(持国天像・増長天像・広目天像・多聞天像)があり、そのほかにも弥勒三尊像、釈迦四相象など約27体の仏像・壁画がある。
 薬師寺の入り口に背を向けると通りがある。そこをまっすぐ行くと唐招提寺に出る。途中には和食の店やアンティークショップもある。
唐招提寺

古の空気が漂う唐招提寺

唐招提寺は苦難の末に来日を果たした鑑真和上が開いたお寺で昔のままの姿で趣がある。金堂、講堂、礼堂に盧舎那仏や釈迦如来像などがあり、御影堂には鑑真像が奉安されている。鑑真は、井上靖の「天平の甍」で広く知られるようになった中国・唐出身の僧で、晩年をこの寺で過ごした。
 ちなみに唐招提寺の「招堤」は、サンスクリット語のcaturdisa(四方)(=四方から人びとを招くの意)から採られたそうだ。
またこの寺には、日本最古の校倉造の経堂・宝蔵がある。
 さらに唐招提寺の方を向いて左手の方角へ行き、細い道を近鉄橿原線に沿って北上すると垂仁天皇陵がある。

豊富な木々と静けさに癒される

広大な自然と想像以上に大きな古墳にしばらく見入ってしまう。
 垂仁天皇とは第11代の天皇で、活目入彦五十狭茅尊(いくめいりびこいさちのみこと)と称されることもある。
また、尼ヶ辻にあるこの天皇の古墳は「菅原伏見東陵」とも呼ばれている。
 写真の右の方にある小さな島の様なものは、田道間守(たぢまもり)の塚だ。田道間守とは、垂仁天皇の命で常世の国から不老不死と言われる非時(ときじく)の香菓(かくのみ)を持ち帰ったとされる人物だ。余談だが、それは実際は橘の実だったそうだ。
 ただ、持ち帰ったころには垂仁天皇は崩御していたのでそのショックで亡くなってしまった。現在は果物やお菓子の神様になっている。

  


Posted by 潤 at 18:27Comments(1)